2021-01-18

新型コロナに有効性が提唱されている薬剤


目次 リンク集 医療関係(さいたま)

 

新型コロナに有効性が提唱されている薬剤


新型コロナウイルス感染症対策として、世界中で、さまざまな薬剤の有効性を示唆する論文として発表されています。記載されている論文(一部)のエッセンスをまとめてみました。

2020.11月下旬現在、COVID-19が重症化した際には、レムデシビルの使用が承認されています。アビガンは、承認申請中ですし、デキサメサゾンも使用されています。

抗体カクテルも米国で承認されました。

 

しかし、特に初期における治療薬は、まだ不十分であるのが現状です。

 

新型コロナウイルス感染症対策として承認されてはいないものの、有効性が提唱されている薬剤について、紹介します。


※ 免責事項 あくまでも論文のご紹介です。見解は、それぞれの著者の見解です。

紹介者としましては、「何か少しでもご参考になる点があれば」というスタンスです。何か取り入れようと思われる場合には、当該の論文をしっかりお読みになった上で、自己責任にてお願いいたします。

◎ 検討されている戦術的治療 ※ 主として重症者用

アクテムラ/トシリズマブ。アビガン/ファビピラビル; アジスロマイシン; バリシチニブ/オルミアント;

ベバシズマブ/アバスチン; Calquence / Acalabrutinib; クロロキン; コルクリス/コルヒチン; 回復期血漿; EIDD-2801; フィンゴリモド/ギレニア; ガリデシビル; ヒドロキシクロロキン; イラリス/カナキヌマブ; イベルメクチン; ジャカフィ/ルキソリチニブ; カレトラ/ロピナビル/リトナビル; ケブザラ/ Sarilumab;

キネレット/アナキンラ; レロンリマブ; マブリリムマブ; メチルプレドニゾロン; オルミアント/バリシチニブ; オテズラ/アプレミラスト; レムデシビル; タミフル/オセルタミビル; ウミフェノビル/アルビドール; ゼルヤンツ / Tofacitinib

 Kostoff, Toxicol Rep 2020; 7: 1448–1458


◎ COVID-19と好中球細胞外トラップ(好中球ネッツ) COVID-19では、好中球増加症が 予後不良を予測する因子となる 好中球増加症・活性化⇒好中球ネッツ形成・放出 ⇒微小血栓症と急性呼吸窮迫症候群(ARDS) ※ ネッツは、病原体に対する感染防御には有益 Barnes, JEM 2020 1: 217

 

◎ COVID-19: 肺の剖検標本(1例)における好中球浸潤 ・肺毛細血管 に 広範囲の好中球浸潤 ・フィブリン沈着 を伴う 急性毛細管炎 ・肺胞腔への好中球遊走 敗血症なし。細菌培養は陰性 ※ COVID-19肺病変における好中球の中心的役割を示す 
 
 

 

◎ COVID-19と好中球ネッツ形成・放出 この過程を薬剤の「標的」にすることにより COVID-19の重症度を抑えられる可能性がある ネッツ形成に関与する酵素 ・好中球エラスターゼ ・PAD4 ・ガスダーミンD ※ こららの「酵素阻害薬」が候補となりうる

  Barnes, JEM 2020 1: 217 

 

◎ 好中球ネッツ形成に関与する酵素 ・好中球エラスターゼ 細胞内タンパク質を分解 ⇒ 核崩壊を引き起こす ・PAD4 ヒストンをシトルリン化 ⇒ 染色体DNAの脱凝縮と放出を促進する ・ガスダーミンD 細胞膜に穴をあけ、細胞の破裂を促進 ⇒ DNA・関連分子の放出を促進する Barnes, JEM 2020 1: 217 

 

 COVID-19の血栓症に 好中球ネッツが関与 急性の心臓および腎臓の傷害は、 COVID-19の重症患者によく見られ、 COVID-19死因の一つとなる。 血管内の好中球ネッツは、 動脈と静脈の血栓症の開始と増悪に 重要な役割を果たす。 Barnes, JEM 2020 1: 217 

 

◎ COVID-19: 好中球ネッツによる「自爆攻撃」 自爆してはいけないところで自爆する ⇒ 体を傷害する ・肺胞内で自爆⇒ 肺胞内ゲル化 ⇒ 肺ゲル腫(ARDS)血管内で自爆 ⇒ 動脈・静脈で血栓   ⇒ 心臓・腎臓等の傷害 参考 Barnes, JEM 2020 1: 217

 

◎ COVID-19と好中球ネッツ(NET) ※ NET⇒マクロファージに IL1β(インターロイキン1β)を分泌させる 重症のCOVID-19で 「NET–IL1βループ」 が活性化される ⇒NETとIL1βの産生が加速され、 呼吸代償不全、微小血栓の形成、異常な免疫反応が 加速される可能性 Barnes, JEM 2020 1: 217 

 

  

◎  COVID-19とコルヒチン コルヒチンは、 好中球の ・炎症部位への動員 ・IL1βの分泌 これらを二つとも阻害できる既存の薬物。 COVID-19において コルヒチンを使用する試験が進行中である ※ コルヒチンは、痛風発作に使用されている薬剤 Barnes, JEM 2020 1: 217

 

◎ メラトニンとCOVID-19 メラトニン:脳の松果体で生合成されるホルモン 睡眠の質を改善する ※ 睡眠不足はウイルス感染に対する免疫反応を弱める メラトニンの新型コロナウイルス感染症に 対する効果の可能性が 示唆されている。 Juybari Virus Res 2020 Oct 2; 287

 

◎ メラトニン: 抗酸化剤・抗炎症剤の作用がある

メラトニンが、ウイルスおよび細菌感染 によって誘発される ・急性肺傷害(ALI)急性呼吸窮迫症候群(ARDS)に対抗する 他の薬剤と組み合わせで、 メラトニンは COVID-19の治療上、 役割を果たす可能性がある Juybari, Virus Res. 2020 Oct 2; 287 
 

◎ SARS-CoV-2は、コウモリ由来のウイルス ※ コウモリでは病原性なし コウモリは、メラトニン産生レベルが高い ⇒ 発症を抑えている可能性がある ヒトのメラトニン生産レベルは コウモリよりも著しく低い ⇒ COVID-19発症に関与している可能性 Juybari, Virus Res. 2020 Oct 2; 287 

 

◎ 老化⇒ メラトニン分泌↓

老化すると、夜間のメラトニンのピークは

通常 かなり減少する(個人差 大) ある高齢者では、夜間の値は、日中の値と ほぼ同じ(低い) 夜間の値が穏やかな減少のみの高齢者もいる Aging Dis 2012 3 194 メラトニン分泌分泌↓ ⇒ COVID-19のリスク↑ 
 
 
◎ SARS-CoV-2ワクチンの有効性: 健康な若年者と比べ 高齢者やその他の高リスク集団では おそらく劣ると推測される 予防接種に加え メラトニンなどの免疫調節剤を 使用すると 免疫系が損なわれている患者と健康な患者の両方で ワクチンの有効性が高まる可能性がある Juybari Virus Res 2020 Oct 2 287 

 

◎ メラトニンは ナチュラルキラーとCD4 +細胞の数を増やし、 効果的なワクチン応答に必要な サイトカインの産生を増幅する (Carrillo-Vico, 2006) 睡眠不足は ウイルス感染に対する免疫反応を弱める メラトニンは 睡眠の質を改善する重要な因子である Juybari, Virus Res. 2020 Oct 2; 287 


◎ 抗SARS-CoV2剤として可能性のある天然の物質

・カロラクトン(粘液細菌Sorangium cellulosumが産生) ・ホモハリングトニン (オマセタキシン 植物のイヌガヤ由来) ・エメチン(植物のトコン由来) ・セファランチン(植物のタマサキツヅラフジ由来) Wang, Front Pharmacol 2020 11 1013


◎ セファランチン


植物の玉咲ツヅラフジ(台湾に自生)由来 1934年 近藤らにより単離された 適応 円形脱毛症など 抗ウイルス効果、抗マラリア効果、 抗癌効果を有する(Fang 2013) in vitroでSARS-CoV-2複製を効果的に阻害した (大橋 渡士 2020) Wang, Front Pharmacol 2020 11 1013

  

◎ カロラクトン

粘液細菌(南方熊楠の粘菌とは別物)由来 メチレンテトラヒドロ葉酸デヒドロゲナーゼ1を 阻害する作用を有する この酵素は、RNA複製のための重要な宿主因子である Vero細胞におけるSARS-CoV-2複製を強く阻害した (Anderson 2020) Wang, Front Pharmacol 2020 11 1013 

 

◎ カロラクトン(続き) SARS-CoV-2⇒ ヒトの気道粘膜上皮細胞へ侵入(感染) ⇒ 細胞内の酵素を拝借して、 ウイルスの複製のために使用する ※ 特に重要な酵素がMTHFD1:この酵素の所有者はヒト カロラクトン⇒MTHFD1活性を抑える ⇒SARS-CoV-2の増殖を抑える Wang, Front Pharmacol 2020 

 

◎ カロラクトン  ミュータンス菌(虫歯菌)の バイオフィルムを破壊する 真核生物(人など)に対して非毒性 Krunze 2010 カロラクトンを組み込んだ歯科用複合材料は、 ミュータンス菌バイオフィルムに対する 強力なin vitro活性を維持する Apel 2013 Donner, Sci Rep 2016 6 29677 

 

◎ カロラクトン  現在使用されている抗生物質に 耐性のある病原体の出現は 世界的な脅威 ⇒ 新規の標的と作用機序を持つ抗菌薬の探索は重要 Donner mSphere 2017 カロラクトンはその候補の一つ 肺炎球菌(TIGR4、血清型19A臨床分離株)の 増殖を抑制した Donner Sci Rep 2016 6 29677 

 

◎ 抗SARS-CoV2剤として可能性のある 天然の物質からヒントを得た小分子 ・ イベルメクチン   (大村智博士・キャンベル博士が開発    2015年 ノーベル賞) ・ GS-5734 ・ EIDD-2801 Wang, Front Pharmacol 2020 11 1013 

 

◎ イベルメクチン Wagstaffらは、 本薬が in vitroにおけるSARS-CoV-2 RNA複製の制御に 効果的であり、 48時間以内にウイルスが 5,000倍減少することを示した 2020 承認されたイベルメクチンの投与量だけでは、 COVID-19の治療に理想的な投与量ではない Schmith 2020 Wang, Front Pharmacol 2020 

 

◎ GS-5734(レムデシビル)

ツベルシジン+トヨカマイシン(西村 1956) が出発点の化合物 SARS-CoV-2 RNA依存性RNAポリメラーゼの RNA結合チャネルに 結合する Wu 2020 2020.5 米国FDAは、 SARS-CoV-2感染症を治療するため の緊急使用を許可した(日本も2020.5) Wang Front Pharmacol 2020 

 

◎ EIDD-2801

EIDD-2801(Nヌクレオシドアナログ)は、 経口で生物学的に利用可能な有望な 抗ウイルス剤であり、 エモリー大学のプレンパーらに よって発見された 人間の血漿で発見されたウリジン ⇒N 4-ヒドロキシシチジン (広域スペクトルの抗ウイルス剤) が出発点 Wang, Front Pharmacol 2020 

◎ エブセレン(有機セレン低分子化合物)

SARS-CoV-2メインプロテアーゼ を阻害する⇒ COVID-19候補薬の一つ SARS-CoV-2感染症の抑制に 非常に効果的であり(EC 50 = 4.67μM)、 毒性が低い(ラット)。 人間に対する安全性が複数の臨床試験で 継続的に評価されている Wang Front Pharmacol 2020 

 

◎ アルファ‐1‐アンチトリプシン(A1AT) 抗ウイルスおよび抗炎症特性を持っている ヒトの血液中に存在している A1ATは、 SARS-CoV-2感染とCOVID-19病態において 最も重要な2つのプロテアーゼである 膜貫通型セリンプロテアーゼ2(TMPRSS2)と ADAM17を阻害する。 de Loyola, Rev Med Virol 2020 Aug 26 

 

◎ アルファ‐1‐アンチトリプシン(A1AT)の 血中濃度が高い ⇒ SARS-CoV-2感染↓・COVID-19重症度↓ BCG接種⇒訓練された免疫の誘導⇒A1ATの血中濃度↑ Cirovic Cell Host Microbe 2020 28 322 ※ A1AT: 種々の炎症時に血中に増加する 急性相反応物質の一つである 

 

◎ ファモチジン(胃薬)は、

SARS-CoV-2ゲノム でコードされる酵素3-キモトリプシン様プロテアーゼを 阻害する可能性があると予測された ・入院から24時間以内にファモチジン開始(84名) ・非使用(1620名) ファモチジン投与群 生存した比率が高い(P<0.01) Freedberg, Gastroenterol 159 1129 2020  
 
 

 

◎ ガスター(ファモチジン)とCOVID-19 ファモチジン投与群  ・気管挿管なしで生存した比率が高い(P<0.01) ・生存した比率が高い(P<0.01) ・フェリチンが低値だった (中央値708 非使用者846 P=0.03) プロトンポンプ阻害薬(PPI)には、 このような効果はない Freedberg, Gastroenterol 2020 

 

◎ 高齢者(65歳以上)のインフルエンザワクチン接種率は、 COVID-19による死亡率と負の相関を示す

インフルエンザワクチン接種率の10%↑⇒COVID-19死亡率の28%↓ =高齢者集団において COVID-19による死亡率に対する インフルエンザワクチンの潜在的な 保護効果を示唆(米国) Zanettini, medRxiv Jun 26 2020 
 
 

 

◎ 経口組換えメチオニナーゼとCOVID-19

経口組換えメチオニナーゼ (=メチオニンを分解する酵素)投与 ⇒ 体内のメチオニン枯渇 ⇒ SARS-CoV-2のRNAキャップ構造のメチル化を阻害 ⇒ SARS-CoV-2の複製を阻害する可能性 Hoffman, in vivo 34 1596 2020 

 

◎ 紅藻由来のカラギーナン鼻スプレー ⇒ 幅広い抗ウイルス効果

ウイルスが確認された風邪に対し ・疾患の期間が短縮 ・ウイルスのクリアランスが増加 ・症状の再発が減少 鼻腔用スプレーBisolviral® (ベーリンガーインゲルハイム) 海外で発売されている Pereira J Appl Phycol 2020 Jun 1 

 

◎ 6 µg / mLという低濃度のイオタカラギーナン (ビソルバイラル鼻スプレーの主成分: 紅藻由来) が、ベロ細胞培養において SARS-CoV-2感染を阻害することが示されている Bansal, bioRxiv 2020 8.19 ※ ビソルバイラル (ベーリンガーインゲルハイム社) の イオタカラギーナンの濃度は、 1.2 mg/ml 

 

◎ ロシアのスプートニクVワクチン:91.4%の有効性 (18,000人以上の2回目の中間分析) アデノウイルス(Ad)をベクターとして使用   SARS-CoV-2の表面タンパク質であるスパイクを コードする遺伝子を送達する 利点:標準的な冷蔵庫に保管できる Kupferschmidt, Science Nov 24, 2020 

 

◎ 2型糖尿病

SARS-CoV-2感染に対する感受性は 高めない しかし、2型糖尿病はCOVID-19の より悪い結果と関連する 2型糖尿病がCOVID-19を発症すると、 血糖値の制御が不十分な場合、 代謝制御が良好な被験者と比較して、 死亡率が著しく高くなる Solerte Diabetes Care 43 2999 2020 

 

◎ 2型糖尿病でCOVID-19を発症した患者

①群 169名 標準治療+シタグリプチン (2型糖尿病薬、DPP-4阻害薬) ②群 169名 標準治療のみ ①群 の死亡率が有意に低下した(ハザード比 0.44) ※ DPP-4がSARS-CoV-2の標的細胞への侵入を促進する可能性 Solerte, Diabetes Care 43 2999 2020 


◎ 重感染(重複感染) 重感染の有病率は、
COVID-19患者間で異なり
非生存者では0%~50%の範囲だった 報告された共病原体:
細菌、マイコプラズマニューモニアエ、カンジダ
ウイルス(インフルエンザ、ライノウイルス、コロナウイルス、HIV)など
Jean, J Microbiol Immunol Infect 2020 53 436


◎ COVID-19における重感染:
ウイルス性の場合
最も多い同時感染性ウイルスは?
答 A型インフルエンザウイルス 
Jean, J Microbiol Immunol Infect 2020 53 436

◎ COVID肺炎にて長期入院(> 6日)の際は

以下をカバーする抗生物質:   ・黄色ブドウ球菌(MRSAを含む) ・多剤耐性肺炎球菌 ・クレブシエラ・ニューモニエ ・緑膿菌 ・アシネトバクター・バウマニ の 慎重な投与が推奨される (潜在的な重感染対策) Jean, J Microbiol Immunol Infect 2020

◎ スタチン

👉スタチンは、
・心血管リスクの軽減 ・COVID-19における自然免疫反応を↓ と報告されている COVID-19の重症患者のための マサチューセッツ総合病院ガイドは、 特にICUの入院患者において、 スタチンの使用を検討することを提唱している Rizk, Drugs 80 1267 2020

👉COVID-19患者において 心筋傷害があると 記載された2,746人の 多施設後ろ向きコホート研究: スタチンには保護効果があり、 生存率の改善に関連している (ハザード比 0.57、95%CI 0.47–0.69) Lala, J Am Coll Cardiol 2020 76 533

👉SARS-CoVに感染⇒MyD88遺伝子の誘導↑ ⇒NF-kB経路が活性化⇒ 炎症↑ スタチンはMyD88経路を阻害⇒炎症↓ (※ 低酸素時およびストレス下では MyD88レベルを維持する傾向もある ⇒ COVID-19患者に保護効果をもたらす可能性) Rizk, Drugs, 80 1267 2020

◎ ラマトロバン(バイナス)


PGD​​2⇒DP2受容体⇒ ウイルスに対する宿主の免疫応答を抑制する SARS-CoVに感染したマウス: PGD2は気道で2〜5倍に増加
年齢とともにPGD2は、増加する PGD​​2 / DP2シグナル伝達の阻害(by ラマトロバン): COVID-19における 免疫機能障害およびリンパ球減少症に対する 免疫療法アプローチとしての可能性 Rizk Drugs 80 1267 2020

◎ 抗アンドロゲン作用薬


👉膜貫通セリンプロテアーゼ2(TMPRSS2)アンドロゲン(男性ホルモン)に暴露される過剰発現する 禿頭症COVID-19でARDSを発症する男性に 特に存在することが 臨床的に観察されている =アンドロゲンがSARS-CoV-2の感染力と 病因に直接関連しているという仮説
Cadegiani, Med Hypo 2020 Oct 143


👉AGAの男性 ジヒドロテストステロン(DHT)細胞内レベルが高い ⇒ COVID-19が重症化しやすい AGAの薬剤(フィナステリド、デュタステリド):  DHTレベルを低下させる =抗アンドロゲン作用がある ⇒ COVID-19の重症化を抑える可能性   Cadegiani, BMC Endocr Disord 2020 20 149


👉抗アンドロゲンアプローチは、 COVID-19男性患者を 保護しているよう見える アンドロゲン抑制療法(ADT)を受けた 前立腺癌患者は、 部分的にSARS-CoV2感染症から 保護されるように思われる Cadegiani, BMC Endocr Disord 2020 20 149

👉スピロノラクトン ・効果的な降圧作用 ・心臓保護 ・腎保護 ・抗アンドロゲン特性 を有している 長く使用され、安全なミネラルコルチコイド 及びアンドロゲン受容体拮抗薬である ⇒ SARS-CoV-2からの保護を提供する可能性 Cadegiani, Med Hypo 2020 Oct 143

👉3つの主要な要因が SARS-CoV-2の予後不良と相関している ・高血圧 ・肥満 ・アンドロゲンホルモン 思春期前の子供: アンドロゲンレベルが低い⇒  COVID-19重症化から「保護」されている  Cadegiani, Med Hypo 2020 143 110112


👉可溶性ACE2 循環血中でSARS-CoV2と結合し 肺内皮(膜結合型ACE2を発現)への侵入を妨げる可能性 (=デコイレセプターとして働く) 以下は治療薬となる可能性がある ・リコンビナント可溶性ACE2 ・可溶性ACE2レべルを上昇させる薬剤👉  例 スピロノラクトン Cadegiani, Med Hypo 2020 143 110112


👉抗アンドロゲン療法 77人入院男性の前向きコホート研究 ・12名 抗アンドロゲン療法あり群 (フィナステリド デュタステリド スピロノラクトン) ・65名なし群 抗アンドロゲン療法あり群が、ICU入院が有意に低かった (8% 対 58% P = 0.0015) Goren, JEADV Sep 25 2020





👉デュタステリドとスピロノラクトンの両方が、 ヒト胚性幹細胞由来の心臓細胞モデルにおいて ・ACE2 (=SARS-CoV-2が結合するレセプター)と ・TMPRSS2(=SARS-CoV-2の侵入に関与する タンパク分解酵素) の両方の発現レベルを低下させた。 Samuel, Cell Stem Cell 27 876 2020
 


👉アンドロゲンシグナル伝達は ACE2レベルの重要な モジュレーター(調節機構)である テストステロイン⇒ジヒドロテストステロン(DHT)⇒ アンドロゲン受容体活性化⇒ACE2発現↑ Samuel, Cell Stem Cell 27 876 2020


👉アンドロゲンシグナル伝達を弱める 5α還元酵素阻害薬が 標的細胞のACE2レベルを↓ ⇒SARS-CoV-2感染力↓ の可能性 これらの薬剤は、 前立腺肥大やAGAに処方されている。 安全性プロファイルが良好で、 COVID-19の治療に転用できる可能性がある。 Samuel, Cell Stem Cell 27 876 2020


👉前立腺疾患(前立腺肥大症または前立腺がん)は、 他の危険因子とは無関係に トロポニンT(COVID-19誘発性心臓損傷にて↑)が 高値となる確率を 50.5%(OR = 1.505 p値0.046)増加させた アンドロゲンレベル↑⇒ ・前立腺疾患↑ ・COVID-19誘発性心臓損傷↑ Samuel, Cell Stem Cell 27 876 2020


👉英国バイオバンク(UKBB)の90,150人の 男性患者記録の独立したコホートを分析した 前立腺肥大症(BPH) ・COVID-19陽性男性の17.9%がBPHあり ・COVID-19入院男性の21.2%がBPHあり ・対照群では、12%のみBPHあり  であった。  Samuel, Cell Stem Cell 27 876 2020










👉英国バイオバンク(UKBB)の90,150人の 男性患者記録を分析: 冠動脈疾患(CAD) ・COVID-19陽性男性の24.5%がCADあり ・COVID-19陽性入院男性の28.8%がCADあり ・対照群男性では、16.7%がCADあり  P<0.001  ⇒CADは、男性のCOVID-19陽性・入院の 危険因子 Samuel Cell Stem Cell 27 876 2020



👉多嚢胞性卵巣症候群(PCO)の女性 ⇒ アンドロゲンレベルが高い COVID-19パンデミックの中で 重症化リスクが高くなっている可能性がある ※ 生殖年齢の女性の中で、高リスクが見落とされている可能性 (= 若い女性は、リスクが低いと一般に思われている) Kyrou, BMC Medicine 18 220 2020



👉多嚢胞性卵巣症候群の女性 ・肥満 ・インスリン抵抗性 ・2型糖尿病(T2DM) ・高血圧 ・脂質異常症 ・閉塞性睡眠時無呼吸(OSA) ・非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD) などと密接に関連⇒ SARS-CoV-2感染に直面した場合 予想よりも高いリスクにある可能性 Kyrou, BMC Medicine 18 220 2020



👉多嚢胞性卵巣症候群(PCOS): 重症であるほどビタミンDレベル↓ (負の相関あり) 低ビタミンD血症: COVID-19のリスク↑ PCOSを有する女性に対する ビタミンD補充⇒ 総テストステロン値およびCRPを 減少させる可能性がある Kyrou, BMC Medicine 18 220 2020


👉男性型PCOS同等症候群が提唱されている ・性腺ステロイド産生↓ ・性ホルモン結合グロブリン(SHBG)↓ ・デヒドロエピアンドロステロン硫酸塩(DHEAS)↑ のうち1つ以上 + 早期発症の男性型脱毛症 2型糖尿病、肥満、高血圧併発しやすい ⇒COVID-19リスク↑ Kyrou, BMC Medicine 18 220 2020

◎ メトホルミン

👉利用可能な後ろ向き研究は、 まだ数が限られているものの、 COVID-19で入院した2型糖尿病患者において メトホルミン使用者は、 非使用者と比較して 死亡率の低下が示されている。 Scheen Diabetes Metab 46 423 2020



👉メトホルミンの抗炎症効果 メトホルミンは 糖尿病の状態に関係なく 幾つかの抗炎症効果を発揮する ・TNFα↓(特に女性 Bramante, medRxiv 2020) ⇒ COVID-19に対する防御↑の可能性 ・IL-6↓ (Chen, Diabetes Care 2020) Scheen, Diabetes Metab 46 423 2020


👉メトホルミン ⇒ AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)の活性化 ⇒ ACE2のリン酸化 ⇒ ACE2受容体のコンフォメーション変化 (=サイズの大きいリン酸基が加わるため) ⇒ 立体障害 ⇒ SARS-CoV-2との結合が減少する可能性 Sharma, Diabetes Res Clin Pract 164 10183 2020


👉メトホルミン  ・メトホルミンは、ガレガ・オフィシナリスという植物から発見された ・もともとインフルエンザやマラリアに対して使用されていた ・血糖低下は、その副作用の1つにすぎなかった ・多面的効果と広範な有用性により、21世紀のアスピリンと呼ぶ科学者もいる Sharma 2020


ガレガ・オフィシナリス おぎはら植物園のサイトより引用


◎ オメガ3系長鎖多価不飽和脂肪酸(EPAなど)

=抗炎症作用がある ・西欧諸国におけるオメガ3脂肪酸の食事摂取レベルは  推奨値を大幅に下回っている ・オメガ-3補給が急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の  重篤な患者の臨床転帰を改善する可能性が  示唆されている Weill Biochimie 179 275 2020


👉オメガ3系長鎖多価不飽和脂肪酸(EPAなど) ウイルス感染の異なる段階において、 特にウイルスの細胞への侵入と複製において、 相互作用(=干渉)する可能性がある Weill, Biochimie 179 275 2020


👉細胞膜には、 ① 脂質2重層と  ② 脂質ラフト(筏に似た構造体)がある。 オメガ3系長鎖多価不飽和脂肪酸は、 ACE2とTMPRSS2が主に発現している 脂質ラフトを調節する可能性がある。 =細胞膜の流動性、タンパク複合体の集合 ACE2およびTMPRSS2の発現・安定性・酵素活性を調節する Weill 2020

👉ウイルスは、複製膜の合成に 必要な脂質分子を 宿主細胞に十分提供させるように 宿主細胞の脂質代謝を再プログラムする =ウイルスにより宿主細胞の転写因子SREBP(ステロール調節エレメント結合タンパク質)が 活性化する オメガ3脂肪酸は、この過程を阻害する Weill, Biochimie 179 275 2020

👉レゾルビン、マレシン、プロテクチンとして知られる、 EPAとDHA(これらは、オメガ3系多価不飽和脂肪酸) 由来の プロレゾルビンメディエーター(SPM =抗炎症性脂質メディエーター)は、 NF-κB経路↓ ⇒炎症性サイトカインの合成↓ ※ 炎症を鎮める方向に働く Weill, Biochimie 179 275 2020


👉EPAとDHA(オメガ3系多価不飽和脂肪酸) EPA由来のEシリーズレゾルビン、 DHA由来のDシリーズレゾルビン、プロテクチンは、 損傷組織における 白血球の浸潤を 抑制する⇒ 有意な抗炎症効果を発揮する。 Weill, Biochimie 179 275 2020




すずひろクリニック(さいたま市) 


 

 

 

 

 

最終更新日:2021.1.17

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