◎ 抗アンドロゲン作用薬
👉膜貫通セリンプロテアーゼ2(TMPRSS2)は
アンドロゲン(男性ホルモン)に暴露されると
過剰発現する
禿頭症は
COVID-19でARDSを発症する男性に
特に存在することが
臨床的に観察されている
=アンドロゲンがSARS-CoV-2の感染力と
病因に直接関連しているという仮説
Cadegiani, Med Hypo 2020 Oct 143
👉AGAの男性
ジヒドロテストステロン(DHT)の
細胞内レベルが高い
⇒ COVID-19が重症化しやすい
AGAの薬剤(フィナステリド、デュタステリド):
DHTレベルを低下させる
=抗アンドロゲン作用がある
⇒ COVID-19の重症化を抑える可能性
Cadegiani, BMC Endocr Disord 2020 20 149
👉アンドロゲンシグナル伝達を弱める
5α還元酵素阻害薬が
標的細胞のACE2レベルを↓
⇒SARS-CoV-2感染力↓ の可能性
これらの薬剤は、
前立腺肥大やAGAに処方されている。
安全性プロファイルが良好で、
COVID-19の治療に転用できる可能性がある。
Samuel, Cell Stem Cell 27 876 2020
👉抗アンドロゲンアプローチは、
COVID-19男性患者を
保護しているよう見える
アンドロゲン抑制療法(ADT)を受けた
前立腺癌患者は、
部分的にSARS-CoV2感染症から
保護されるように思われる
Cadegiani, BMC Endocr Disord 2020 20 149
👉スピロノラクトン
・効果的な降圧作用
・心臓保護
・腎保護
・抗アンドロゲン特性
を有している
長く使用され、安全なミネラルコルチコイド
及びアンドロゲン受容体拮抗薬である
⇒ SARS-CoV-2からの保護を提供する可能性
Cadegiani, Med Hypo 2020 Oct 143
👉3つの主要な要因が
SARS-CoV-2の予後不良と相関している
・高血圧
・肥満
・アンドロゲンホルモン
思春期前の子供:
アンドロゲンレベルが低い⇒
COVID-19重症化から「保護」されている
Cadegiani, Med Hypo 2020 143 110112
👉可溶性ACE2
循環血中でSARS-CoV2と結合し
肺内皮(膜結合型ACE2を発現)への侵入を妨げる可能性
(=デコイレセプターとして働く)
以下は治療薬となる可能性がある
・リコンビナント可溶性ACE2
・可溶性ACE2レべルを上昇させる薬剤👉
例 スピロノラクトン
Cadegiani, Med Hypo 2020 143 110112
👉抗アンドロゲン療法
77人入院男性の前向きコホート研究
・12名 抗アンドロゲン療法あり群
(フィナステリド デュタステリド スピロノラクトン)
・65名なし群
抗アンドロゲン療法あり群が、ICU入院が有意に低かった
(8% 対 58% P = 0.0015)
Goren, JEADV Sep 25 2020
👉デュタステリドとスピロノラクトンの両方が、
ヒト胚性幹細胞由来の心臓細胞モデルにおいて
・ACE2 (=SARS-CoV-2が結合するレセプター)と
・TMPRSS2(=SARS-CoV-2の侵入に関与する
タンパク分解酵素)
の両方の発現レベルを低下させた。
Samuel, Cell Stem Cell 27 876 2020
👉アンドロゲンシグナル伝達は
ACE2レベルの重要な
モジュレーター(調節機構)である
テストステロイン⇒ジヒドロテストステロン(DHT)⇒
アンドロゲン受容体活性化⇒ACE2発現↑
Samuel, Cell Stem Cell 27 876 2020
👉3つの主要な要因が
SARS-CoV-2の予後不良と相関している
・高血圧
・肥満
・アンドロゲンホルモン
思春期前の子供:
アンドロゲンレベルが低い⇒
COVID-19重症化から「保護」されている
Cadegiani, Med Hypo 2020 143 110112
👉COVID-19に対する内分泌領域薬剤
唯一証拠がある: 重症患者へのデキサメタゾン
候補薬(中等度の関連性 証拠としては不十分)
・抗アンドロゲン
・スタチン
・N-アセチルシステイン
・ACE阻害薬
・ARB
・直接TMPRSS-2阻害薬
(ナファモスタットなど)
Cadegiani, BMC Endocr Disord 20 149 2020