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2021年12月28日
👉 オミクロン感染者の入院率
12月13日 デンマークの発表:
オミクロン感染者の入院率は
他の変異株感染者と同程度のようだ
(わずかオミクロン感染者約3,400人の解析)
Lillebæk氏(コペンハーゲン大学):
オミクロンによる病気の重症度について
確固たる結論を出すには
まだ感染者数が少なすぎる
Nature 600 577 2021
すずひろクリニック @SuzuhiroClinic 2021年12月27日
👉南アフリカからの報告
デルタ株による感染と比較して、
オミクロン株による感染では
入院の割合が低いことが
一貫して指摘されている
12月14日
南アフリカの民間医療保険会社の
Discovery Healthは
オミクロンの感染者の
入院リスクが以前の変異株に比較し
29%低いと発表した
すずひろクリニッ
ク @SuzuhiroClinic 2021年12月25日👉 オミクロン株
スパイク配列にアミノ酸の変化をもたらす
30以上の変異
その内15の変異は
ウイルス-細胞相互作用の鍵となる
ACE-2受容体結合ドメインに位置する
S1-S2フリン切断部位に変異のクラスターがある
⇒ ウイルスの感染性↑の可能性
Ferré Anaesth Crit Care Pain Med 41 100998 2021
2021年12月23日
👉オミクロン株の由来
👉 SARS-CoV-2 Sタンパク質+細菌由来LPS
血中リポ多糖(LPS: 細菌由来)高値と
メタボリック症候群には関連性がある
※ メタボリック症候群:
COVID-19の重症化素因
SARS-CoV-2 Sタンパク質には
LPS結合部位がある
⇒
単球系細胞におけるNF-κB↑
ヒト末梢血単核球のサイトカイン応答↑
⇒ 炎症↑↑
Petruk, J Mol Cell Biol 12 916, 2020
2021年12月21日
👉 COVID-19とNAFLD
COVID-19感染者202名の解析
肝機能異常が
入院中の75%に認められた(肝細胞性パターン)
NAFLDは、COVID-19進行の独立した危険因子あった(オッズ比 6.4)
NAFLDは、また
・入院~退院の間、肝機能異常の可能性が高いこと
・ウイルス排出時間が長いこと
とも関連していた
Ji J Hepatol 2020
2021年12月20日
👉 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は
慢性的な代謝異常のパンデミックであり、
欧米における有病率は30%と
世界で最も多い肝疾患である
COVID-19の進行は
・男性
・60歳以上
・高BMI
・基礎疾患
・NAFLD
と関連している
Portincasa, Eur J Clin Invest 26 : e13338, 2020
2021年12月19日
👉 食事性果糖と内因性果糖
① 食事性果糖
(果糖・砂糖の入った飲料・加工食品、果汁など)
② 内因性果糖
(ブドウ糖⇒ソルビトール⇒果糖 にて生成された)
両方とも
・慢性腎臓病(CKD)
・非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)
・メタボリック症候群
の原因となる
FK:フルクトキナーゼ
Nakagawa, J Am Soc Nephrol 2020
2021年12月18日
👉 果糖とCKD
過剰な果糖に持続的にさらされると
⇒ 果糖分解が起こり
著しいATPの枯渇と炎症↑
尿細管障害が引き起こされる可能性が高い
腎臓における果糖新生 ⇒ 内因性果糖の生成と
その後の果糖分解との組み合わせが、
腎臓病の進行のメカニズムである可能性がある
Nakagawa, J Am Soc Nephrol 31 898 2020
2021年12月16日
👉 1日2本以上のコーラと腎臓病
1日1本の加糖飲料のみの摂取では、
腎臓への影響が観察される可能性は低い
Sundborn 2019
より高用量では、
1日あたり2本以上のコーラ(加糖飲料)の摂取が
腎臓病の発生率の増加と
関連していた(オッズ比 2.3)。
Saldana 2007
Nakagawa, J Am Soc Nephrol 31 898 2020
2021年12月15日
👉 過剰な果糖摂取は、慢性腎臓病のリスクを上げる
血糖値を維持するために
近位尿細管細胞は
果糖を再吸収し
糖新生の基質とすることができる
しかし、果糖を過剰に摂取すると
負の影響が大となる
=腎における
・エネルギー枯渇
・尿酸生成
・炎症
・線維化
などが引き起こされる
⇒ 慢性腎臓病のリスク↑
Nakagawa, J Am Soc Nephrol 31 898 2020
2021年12月14日
👉 肥満と高尿酸血症
肥満は
高尿酸血症と密接な関係があり
特に、「内臓脂肪の蓄積」は、
尿酸生成量の増加と
正の相関がある。
そのため、内臓脂肪指数
(腹囲、BMI、中性脂肪、
HDLコレステロールを含む指数)は、
肥満者や 代謝的に健常な人においても
高尿酸血症と
正に相関する
H-Díazcouder, Int J Mol Sci 2019
2021年12月12日
👉 果糖摂取と内臓脂肪の増加
肥満者に
必要摂取カロリーの25%を
ブドウ糖 or 果糖入り飲料にて
10週間摂取させた
果糖摂取者だけが
・血漿脂質・リポタンパク質濃度↑
・食後の中性脂肪↑↑
追跡調査終了時の体重は同等だったが
果糖摂取者のみが
内臓脂肪の有意な増加を示した。
Stanhope, J Clin Investig 119:1322, 2009
2021年12月11日
👉 果糖は細胞内の糖質コルチコイド(GC)を
不活性型から活性型に変換促進する
摂取した果糖⇒脂肪細胞
⇒11β-HSD1活性↑
⇒ 細胞内の糖質コルチコイド(GC)を
不活性型から活性型に変換↑ ⇒
・脂肪形成↑、白色脂肪細胞の膨張を引き起こす
・血清中のコルチゾールレベルも↑
※ グルコースを投与しても
11β-HSD1の発現は誘導されない
H-Díazcouder, Int J Mol Sci 2019
2021年12月10日
👉 果糖は、インスリン抵抗性と内臓脂肪の蓄積を誘導する
飲料に含まれる果糖の慢性的な大量摂取
⇒ 内臓脂肪の蓄積を引き起こす
ヒトやネズミのモデルで示されている
青年が、「果糖の入った液糖」が添加された
350mLの飲料を毎日飲むと
⇒ インスリン抵抗性と内臓脂肪の蓄積が
誘導された
H-Díazcouder, Int J Mol Sci 2017
2021年12月9日
👉 血中の果糖濃度は、大きく変動する
果糖を多量に摂取
⇒ 門脈に入る ⇒ 肝臓で処理能力を超えると
⇒ 全身循環に入る
⇒ 脂肪組織で脂肪生成↑
血中の果糖濃度は、グルコースとは異なり
大きく変動する
例 果糖39.2 gを含む飲料を摂取
血中濃度 5.4 µM⇒363.4 µMに上昇する
H-Díazcouder, Int J Mol Sci 20 2787 2019
2021
年12月8日👉 摂取した果糖の行く末
摂取した果糖の約70%は
肝臓で代謝され、
残りは他の組織で代謝される。
脂肪組織では、
主要な果糖輸送体である
GLUT5が発現している。
果糖を慢性的に摂取すると、
脂肪生成が活性化
⇒ 白色脂肪組織の蓄積
が促進される。
H-Díazcouder, Int J Mol Sci 20 2787 2019
2021年12月6日
👉 高果糖コーンシロップ(HFCS)
米国では、トウモロコシのデンプンから
抽出した果糖を用いて
果糖含有量42〜55%の
高果糖コーンシロップ(HFCS)
と呼ばれるシロップを製造している
この化合物は、主にコストの低さから
1960年代後半から米国の食生活において
ショ糖に徐々に取って代わった
Russo, Int J Mol Sci 21: 4479, 2020
2021年12月5日
👉 遊離糖制限
遊離糖制限(または遊離糖類制限)
:WHOが推奨(2015)
「糖質制限」ではありません
糖質には、デンプンも含まれます
遊離糖:定義が厳密
遊離糖の種類は多いですが
簡便には、
・砂糖(ブドウ糖+果糖)
・果糖が入った液糖
・甘い果汁
の 3つを摂取量を意識して減らすこと
がポイントです
2021年12月4日
👉 遊離糖質の制限
遊離糖質の制限(=遊離糖の摂取量を減らす)は、
数日続けるだけで
測定可能な健康効果が得られる
シンプルな方法である。
糖質制限⇒ 炎症による負担↓
メタボリック症候群の発症を↓
⇒ COVID-19の重篤な症例数を
減らすことにつながる
Vazirani, J Endocr Soc 5: bvab037, 2021
2021年12月2日
👉 COVID-19パンデミックに関連した心理的ストレス
ノルウェーの住民25,000人を対象とした横断研究
COVID-19パンデミックに関連した心理的ストレスが
高い頻度で見られ、
これが高糖質食品(キャンディー、ケーキ、
ビスケット、甘いデザート)や
砂糖入り飲料の摂取量↑と
関連していることが示された。
Bemanian, 2021
Vazirani, J Endocr Soc 2021
2021年12月1日
👉 WHO 2015の遊離糖摂取制限
WHOは、2015年、 遊離糖の摂取を
1日の摂取エネルギー量の5%未満に
制限することを推奨した。
遊離糖:食品・飲料に添加された
単糖類や二糖類を含む糖類 と
果汁や濃縮果汁等に自然に含まれる糖類
※ ショ糖(砂糖)= ブドウ糖+果糖(二糖類)
Vazirani, J Endocr Soc 2021
2021年11月30日
👉 果糖の血中濃度は、直接測定できない
通常の診療では
果糖の血中濃度を直接測定できない
果糖の過剰摂取を示唆する指標
・血清尿酸値↑
・中性脂肪↑
・腹囲↑
・甘い物の摂りすぎはないか?
ファストフード お菓子 スイーツ 清涼飲料水
アイス 甘い果物など
⇒ COVID-19対策として検討が必要
Vazirani, J Endocr Soc 2021
2021年11月29日
👉 メタボリック症候群:果糖の摂取が炎症の
トリガーとなる
メタボリック症候群:脂肪組織に慢性炎症あり
果糖の摂取:
メタボリック症候群において脂肪組織
⇒ 炎症性サイトカイン放出↑↑
=COVID-19の炎症↑のトリガーとなりうる
また、果糖は免疫細胞の代謝に影響⇒
感染後のサイトカイン反応↑ Jones, 2021
Vazirani, J Endocr Soc 5: bvab037, 2021
2021年11月28日
👉 果糖 摂取上限量を自覚しにくい
アルコール 飲んだ量と酔った程度により、
ある程度自分で摂取上限量を
判断することができる
果糖 自覚症状では、摂取上限量を
判断しにくい。
・アルコール摂取上限量(/日)
20g e-ヘルスネット(日本)
・果糖上限量(/日) 50g位
(米国 ラスティグ著「果糖中毒」2018)
2021年11月27日
👉 果糖の摂取量を制限すると
果糖の摂取量を制限(果糖を同じカロリーのデンプンに置換)
9日以内に
・血圧
・リポタンパク質プロファイル
・血糖コントロール
・インスリン感受性
・炎症マーカーなど
有意に改善した Lustig 2017
= COVID-19を予測する生理学的・代謝学的パラメータが改善する
Vazirani, J Endocr Soc 2021
2021年11月26日
👉 糖の過剰摂取は、慢性的な炎症状態を助長する
糖の過剰摂取は、慢性的な炎症状態を助長する
⇒ COVID-19の死亡率に影響を与える
COVID-19は、
メタボリック症候群と同じ炎症経路を悪化させるため
果糖制限による炎症の急速な抑制は、
COVID-19パンデミック抑止の
観点からも重要である
Vazirani, J Endocr Soc 5: bvab037, 2021
👉 果糖の摂取しすぎは、血清尿酸値を上昇させる
① 数日間にわたる果糖の消費
② 果糖の静脈内投与
いずれも空腹時の血清尿酸値↑と関連している。
果糖を制限した食事⇒血清尿酸値↓と関連している
※ 血清尿酸値が高い場合
・プリン体
・アルコール
・果糖
の摂取し過ぎはないか、検討する必要がある
Caliceti, Nutrients 9: 395 2017
2021年11月22日
👉果糖の代謝
果糖⇒ATPをリン酸供与体として
フルクトキナーゼが作用⇒異化
ATP⇒ADP⇒AMP⇒IMP
⇒イノシン⇒ヒポキサンチン⇒キサンチン⇒尿酸
・尿酸 ⇒ 酸化ストレス↑ 内皮機能障害↑
・果糖自体 ⇒ 酸化ストレス↑
※ 果糖の摂取許容量/日には上限がある
Caliceti, Nutrients 2017
2021年11月21日
👉 血清尿酸値が上昇し続ける理由
過去100年間、欧米諸国では血清尿酸値↑
これには、少なくとも部分的には
・果糖を含む糖類
・ショ糖
・コーンシロップ
(=異性化糖 果糖ブドウ糖液糖など
1970年頃から加工食品に使用されている)
・清涼飲料水
・フルーツジュース
の消費の増加と関連している
Caliceti, Nutrients 2017
すずひろクリニック @SuzuhiroClinic 2021年11月20日
👉血清尿酸濃度が高い⇒脂肪組織の形成↑
元々は、人類の進化上の利点であった
現在では、過剰な脂肪組織は
インスリン抵抗性、肥満、高血圧の
素因となっている
過剰な脂肪蓄積は、
血清尿酸値を上昇させる
果糖を多く含む飲食物の摂取量↑に
起因すると考えられる
Caliceti, Nutrients 9: 395 2017
すずひろクリニック @SuzuhiroClinic 2021年11月19日
👉 21世紀の血清尿酸値上昇は、果糖の摂取増加が一因
18~19世紀、富裕層に痛風が多発したのは
プリン体を含む肉類を大量に摂取したことが
主な原因である
しかし、21世紀に入ってからも血清尿酸値は
上昇している
これは、欧米の食生活において、糖類、
特に果糖の添加量が著しく増加していることが
一因と考えられる
Caliceti, Nutrients 9: 395 2017
すずひろクリニック @SuzuhiroClinic 2021年11月18日
👉 果糖の摂取量と血清尿酸値
果糖の摂取量と、
血清尿酸値との間には直接的な関係がある
慢性高尿酸血症は
高血圧、メタボリックシンドローム、心血管疾患の
独立した危険因子である
※ COVID-19のリスクも↑
血中尿酸値は、先進国で世界の他の地域よりも
はるかに高くなっている
Caliceti, Nutrients 9: 395 2017
すずひろクリニック @SuzuhiroClinic 2021年11月17日
👉パクスロビド
臨床試験28日目まで
死亡: 実薬群 0名 プラセボ群10名(1.6%)
有害事象
実薬群 19% プラセボ群21% ほとんどが軽度
重篤な有害事象
実薬群 1.7% プラセボ群 6.6%
有害事象により試験を中止した頻度
実薬群 2.1% プラセボ群 4.1%
Mahase, BMJ 375:n2713 2021
すずひろクリニック @SuzuhiroClinic 2021年11月17日
👉パクスロビド
(PF-07321332+リトナビルの併用)
第II-III相の中間解析
1対1にて無作為化
12時間ごと・5日間経口投与
症状が始まって3日以内に治療を受けた参加者のうち
COVID-19関連の入院 または
あらゆる原因による死亡のリスクは
実薬群がプラセボ群に比べ、89%↓
Mahase, BMJ 375:n2713 2021
すずひろクリニック @SuzuhiroClinic 2021年11月15日
👉モルヌピラビル
広範な抗ウイルス活性は
2段階の変異誘発メカニズムに起因する
突然変異は、
宿主細胞(ヒトのDNA)にも生じうるため
変異原性薬剤で理論的に生じうる発がん性や
催奇性の影響が懸念される
※短期間(1日2回・5日間)の使用⇒その可能性は低い
Singh, Diabetes Metab Syndr 2021
すずひろクリニック @SuzuhiroClinic 2021年11月14日
👉モルヌピラビル
(Legevrio, MSD社)
・2021.11.4 英国にて、世界初承認された
・日本でも2021年内に、まず20万人分の供給予定
・発症から5日以内に使用開始する
・外来における投与が容易(外来の投与が主体)
・中等度~重度のCOVID-19の後期段階では有意な効果なし
Singh, Diabetes Metab Syndr 2021
すずひろクリニック @SuzuhiroClinic 2021年11月13日
👉モルヌピラビル
経口抗ウイルス剤(EIDD-2801)
入院していないCOVID-19を対象とした
第3相試験・中間報告
入院または死亡のリスク50%↓
・5日間の服用
・開始~服用終了後4日間は、
避妊すること(治験では男女とも)
・妊娠中は、不可
・18歳以上
Singh, Diabetes Metab Syndr 15 102329, 2021
すずひろクリニック @SuzuhiroClinic 2021年11月12日
👉 ヒトのコバラミンの主な供給源は食事
微生物の数が最も多い大腸で生産された
コバラミン(≒ビタミンB12)は、
吸収する受容体が上流の小腸に存在
⇒ヒトは利用できない
ヒトでは、コバラミンの主な供給源は食事
コバラミンは植物には含まれていない
⇒ 動物性食品が主な供給源
海苔もコバラミンが豊富
Degnan, Cell Metab 20 769 2014
すずひろクリニック @SuzuhiroClinic 2021年11月11日
👉ビタミンB12
コバラミン(シアノコバラミン=ビタミンB12)は
植物では作られず
細菌や古細菌によってのみ合成される
珍しいビタミンである
コバラミンは
ヒトの腸内細菌叢の
構造と機能を形成する上で
貢献をしている可能性がある
(一部の腸内細菌が合成する)
Degnan, Cell Metab 20 769 2014
すずひろクリニック @SuzuhiroClinic 2021年11月10日
👉 COVID-19患者:糞便マイクロバイオームの変化がある
COVID-19 15名
入院時から退院まで週に2~3回
腸内細菌叢をショットガンメタゲノム解析した
入院時および入院中のすべての時点で
COVID-19患者にて
糞便マイクロバイオームの変化
・日和見菌の濃縮
・有益な共生菌の枯渇
対照者と比較して有意に認められた.
Zuo, Gastroenterol 159 944 2020
すずひろクリニック @SuzuhiroClinic 2021年11月9日
👉 ビタミンB12:健康な腸内細菌叢の維持に不可欠
ビタミンB12:
自然免疫系と適応免疫系の
両方の発達と機能に
重要な役割を果たす
健康な腸内細菌叢の維持に
不可欠である。
⇒ 重篤化との関連が指摘されている
腸内細菌叢の異常を有する
COVID-19患者の場合は
過剰な免疫反応を防ぐ上で
重要である可能性
Tan, Nutrition 79–80:111017, 2020
すずひろクリニック @SuzuhiroClinic 2021年11月8日
👉 50歳以上のCOVID-19入院患者に
ビタミンD3+マグネシウム+ビタミンB12
50歳以上のCOVID-19入院患者
入院時・酸素療法を必要としない患者に
1000 IU/日のビタミンD3
+150 mg/日のマグネシウム
+500 μg/日のビタミンB12が投与された
DMB投与群 17名 非投与群 26名
DMB投与により
酸素投与の必要 オッズ比 0.13
ICU入室 0.2
Tan, Nutrition 79–80:111017, 2020
2021年11月7日
👉 Mgの欠乏⇒SARS-CoV-2の感染↑
Sタンパクが宿主細胞のプロテアーゼ
(TMPRSS2とフーリン)によって
タンパク質分解的に切断される
⇒ウイルスと細胞膜の融合が起こる
・Mg⇒TMPRSS2のプロモーターのメチル化↑
⇒転写↓⇒酵素発現↓
・Mg⇒Ca依存性のフーリンの活性↓
※ Mgの欠乏⇒ウイルスの感染↑
Trapani, Eur J Nutr 2021
2021年11月5日
👉 マグネシウムの働き
マグネシウム(Mg)は、
骨形成
神経筋活動
シグナル伝達経路
生体エネルギー
グルコース・脂質・タンパク質代謝
DNA・RNAの安定性
細胞増殖など
あらゆる代謝・生化学経路に関与している
Mgが補酵素として働く酵素:600以上
Mgが活性化因子として働く酵素:200以上
Trapani, Eur J Nutr 2021
2021年11月4日
👉 低マグネシウム血症の頻度は、
高齢者、糖尿病、プレ高血圧で高い
低マグネシウム血症の頻度
高齢者: 36%
糖尿病: 19%~29%
プレ高血圧(120-139/80-89): 30%
R-Ramírez 2015
また、マグネシウムの欠乏は
肥満
高血圧、心血管疾患
うっ血性心不全、不整脈
慢性腎臓病(特に透析患者)の発生率の増加
と関連している
Trapani, Eur J Nutr Oct 23 : 1, 2021
2021年11月3日
👉亜鉛欠乏
血清亜鉛濃度を測定(457名)
基準値 80-130 μg/dL
・この基準を満たす 17.3%
・基準値未満 82.7%
都市部では亜鉛欠乏が
予想以上に高頻度です
⇒ 対策が必要と思われます
※ 基準値に満たしていない方は
亜鉛サプリの服用や
ノベルジン等の処方が必要の場合もあります
2021年11月2日
👉マグネシウム(Mg)とCOVID-19
SARS-CoV-2パンデミックが
2020年初頭に始まったとき
世界的Mg研究者グループは、
COVID-19の危険因子と、
加齢、糖尿病、肥満、高血圧、不整脈、
血栓症、心血管疾患など
ヒトのMg欠乏に関連する疾患との間に
驚くべき類似性があることに注意を喚起した。
Wolf, Magnes Res 2021
2021年11月1日
👉イオタカラギーナン鼻スプレー
多施設ランダム化二重盲検プラセボ対照試験
対象 COVID-19患者のケアを行う病院職員 394名
・実薬とプラセボ 1:1
・21日間 1日4回投与
COVID19の発生 カプランマイヤー曲線
実薬でCOVID-19の発症↓ p=0.03
Figueroa, Int J Gen Med 14: 6277, 2021
2021年10月31日
👉 風邪に対する亜鉛トローチやビタミンCの効果
大人は1年に平均2回、幼い子供は1年に6回風邪をひく
・亜鉛トローチが風邪の症状↓
・高用量のビタミンCを定期的に摂取⇒
風邪の期間↓
※ 風邪に対する
亜鉛トローチやビタミンCの効果は、
無作為化試験のエビデンスではなく、
偏見によって無視されてきた
Hemilä, Pharmacol Res Perspect 2021
2021年10月30日
👉カラギーナン鼻スプレー
多施設ランダム化二重盲検プラセボ対照試験
対象 COVID-19患者のケアを行う病院職員 394名
・実薬とプラセボ 1:1
・21日間 1日4回投与
COVID19の発生率
実薬群 1.0% プラセボ群 5.0%
オッズ比 0.19 p=0.03
※ 実薬で有意に↓
Figueroa, medRxiv 2021
2021年10月28日
👉カラギーナン鼻腔内スプレー
2つの無作為化プラセボ対照試験のメタアナリシス
風邪からの回復率を 54%増加させた(p = 0.003)
・多様な風邪ウイルス群に効果がある
・2つの古いコロナウイルスに効果があった
⇒ COVID-19に効果があると推測される
Hemilä, Pharmacol Res Perspect 9:e00810 2021
2021年10月27日
👉 アスピリンの使用:
機械的人工呼吸、ICUへの入室、院内死亡率を減らす
米国 412名のCOVID-19患者
後ろ向き研究
アスピリン使用による調整後のハザード比HRの
フォレストプロット
SARS-CoV2感染患者
・機械的人工呼吸 HR=0.56
・ICUへの入室 HR=0.57
・院内死亡率 HR=053
アスピリンの使用⇒ 3つの指標とも、頻度↓
Chow, Anesth Analg 132 930 2021
2021年10月26日
👉COVID-19と血栓症
・血栓性合併症は、死亡率の増加と関連する
・深部静脈血栓症や動脈血栓症が比較的多い
・剖検では、心臓、肺、腎臓等に血栓が観察される
・肺胞-毛細血管微小血栓症が
インフルエンザ患者の9倍観察される
⇒ 重度の肺障害と低酸素血症の一因となる
Chow, Anesth Analg 2021
2021年10月25日
👉COVID-19⇒凝固亢進と血栓症リスク↑
米国 COVID-19患者
・アスピリン投与あり: 98名
・なし: 314名
後ろ向き研究
横軸 入院後経過(日)
縦軸 院内における生存率
アスピリンの使用は、
院内死亡率の危険性の低下と関連していた
(HR = 0.53、P =0.02)
Chow, Anesth Analg 132 930 2021
すずひろクリニック @SuzuhiroClinic 2021年10月21日
👉 COVID-19患者における低尿酸血症と
重症化のメカニズム
COVID-19患者の低尿酸血症と
人工呼吸を必要とする重症化を結びつけるメカニズムは、まだ推測の域
① 酸化ストレスに対する防御力↓
② サイトカインストーム↑
③ 低尿酸血症⇒内皮機能障害、脂質過酸化↑
④ 近位尿細管細胞ACE2発現している
SARS-CoV-2が直接感染?
Dufour, Crit Care 2021
すずひろクリニック @SuzuhiroClinic 2021年10月19日
👉 COVID-19患者において
腎臓近位尿細管におけるURAT1の発現は減少
URAT1:尿酸を尿中⇒血液中に
再吸収するトランスポーター
※この発現や機能が抑制されると、
血清尿酸濃度は低下する
COVID-19患者において
腎臓近位尿細管における
尿酸トランスポーターURAT1の発現は減少していた
(5つの腎臓の剖検サンプルにおける検討)
Dufour, Crit Care 25 212 2021
すずひろクリニック @SuzuhiroClinic 2021年10月17日
👉 CRPは、尿酸ナトリウム結晶に結合する
CRP ⇒ 尿酸ナトリウム結晶に結合
⇒ 補体活性化経路の
① 古典的経路 ② レクチン経路の
両方とも活性化 ⇒炎症
Alberts 2020
※ 治療ガイドラインでは
血清尿酸値 8 mg/dl以上が治療開始基準
7 mg/dl以上⇒尿酸結晶が析出し始める
⇒ 理論上、炎症のリスクが0ではなくなる
すずひろクリニック @SuzuhiroClinic 2021年10月16日
👉 痛風は、尿酸ナトリウム(MSU)結晶
によって引き起こされる
痛風は、尿酸が結晶化してできた
尿酸ナトリウム(MSU)結晶によって引き起こされる
※ 微生物が引き起こす炎症反応と
ほとんど区別できない無菌性の炎症反応である
ヒトの体液からMSUに結合するタンパクを精製した
⇒ CRPが
主要なMSU結合タンパク質であった。
Alberts, Sci Rep 10 6391 2020
すずひろクリニック @SuzuhiroClinic 2021年10月15日
👉 血清尿酸値とCOVID-19の予後
血清尿酸値:4.69-7.09 mg/dlが
予後を示すCOVID-19複合指標が最も低い。血清尿酸値が
4.69-7.09 mg/dl (=279~422μmol/L)の間の群が
予後を示すCOVID-19複合指標が最も低かった。
Chenらの研究は、
広く利用可能で
低コストの診断バイオマーカーである血清尿酸を
COVID-19患者の「有害な転帰の予測因子」
として初めて記載した。
Chen, Front Endocrinol 12 633767 2021
すずひろクリニック @SuzuhiroClinic 2021年10月14日
👉 尿酸は重要な抗酸化物質である
尿酸は重要な抗酸化物質であり、
活性酸素種やフリーラジカルを消去する。
ある前向き無作為化対照臨床試験では、
ヌクレオチドを添加した食事が、
・ICU患者の合併症を有意に減少↓
・入院期間を↓
Bower, 1995
※ ほどほどの血清尿酸値は必要(高すぎるのは✖)
Chen, Front Endocrinol 2021
すずひろクリニック @SuzuhiroClinic 2021年10月12日
👉尿酸とCOVID-19
腎臓と消化管は
SARS-CoV-2の標的であり
尿酸の主要な排泄部位でもある
⇒ SARS-CoV-2に感染すると、
尿酸の代謝や血清中の濃度の調節に
影響を及ぼす可能性がある
SARS-CoV-2感染者では、
低尿酸血症が予後不良と関連するという
報告がある
Chen Front Endocrinol 12 633767 2021
すずひろクリニック @SuzuhiroClinic 2021年10月11日
👉 フロセミドの抗炎症作用
フロセミド(ループ利尿薬)
IL-6とTNF-αを適度に阻害する
① これらのサイトカイン受容体の活性部位に
リガンドを再ドッキング:インシリコ分析
② 抗炎症性活性測定
1,136個の小分子から 候補分子として同定された
⇒ 吸入治療薬として再利用できる可能性
Wang, Peer J 8 e9533 2020
すずひろクリニック @SuzuhiroClinic 2021年10月10日
👉 重度の歯周病とCOVID-19
重度の歯周病とCOVID-19との間の強い関連:
ガレクチン-3を媒介とするウイルスの付着と免疫反応↑重度の歯周病とCOVID-19との間の強い関連は
ガレクチン-3(Gal-3)を媒介とした
ウイルスの付着と
免疫反応↑によって説明できる Kara 2020
老化細胞⇒Gal-3の発現↑
※ Gal-3⇒転写因子NF-κBを活性化
⇒IL-6, TNF-α産生↑
※ Gal-3 肺における発現が多い
Martinez, J Clin Med 10 279 2021
すずひろクリニック @SuzuhiroClinic 2021年10月9日
👉 歯周病と肺上皮細胞の細胞老化
歯周病の状態不良⇒肺上皮細胞の細胞老化↑⇒ビメンチン発現↑
歯周病の状態不良⇒歯周病菌↑
⇒LPSが長期間作用⇒肺上皮細胞の細胞老化↑
ACE2の発現だけではウイルス感染に十分ではない
老化した肺上皮細胞⇒ ビメンチン発現↑
⇒ SARS-CoV-2の感染↑
※ビメンチンは、コロナウイルスの
スパイクタンパクと直接相互作用する
Martinez, J Clin Med 2021
すずひろクリニック @SuzuhiroClinic 2021年10月8日
👉 適切な口腔ケア
「適切な口腔ケア」は
COVID-19の肺の炎症の悪化を防ぐために重要口腔内の不衛生や歯周病菌の吸引が
COVID-19肺感染症を悪化させる可能性がある
⇒ 「適切な口腔ケア」は
肺の炎症の悪化を防ぐために重要
※ 病原性歯周病菌の吸引
⇒サイトカイン(特にIL-6)の産生⇒肺の炎症↑
歯周病菌由来のプロテアーゼ⇒SARS-CoV-2の感染↑
Martinez, J Clin Med 2021
すずひろクリニック @SuzuhiroClinic 2021年10月7日
👉歯周病菌由来の低濃度LPS
⇒ 潜在的な全身炎症↑、血管内凝固↑ 臓器機能障害
に影響を与える可能性
グラム陰性菌⇒外膜小胞(OMV:LPSや
その他の毒素の高度な長距離輸送システム)を分泌する
歯周組織は
TNF-α、IL-6などの
サイトカインの貯蔵庫としても機能する
Martinez, J Clin Med 2021
すずひろクリニック @SuzuhiroClinic 2021年10月6日
👉 口腔内細菌(歯周病菌など)の気道への移行
口腔内細菌(歯周病菌など)の気道への移行
唾液の吸引が重要な役割を果たしている
・歯周病原菌の吸引⇒気道へ移行
⇒IL-6などの炎症性サイトカイン↑
⇒SARS-CoV-2肺症状の増悪↑
・歯周病の炎症
(炎症性サイトカインの供給源としても機能)
⇒血流⇒全身へ⇒炎症↑
Martinez, J Clin Med 2021
すずひろクリニック @SuzuhiroClinic 2021年10月5日
👉 COVID-19重症化は、加齢の直接的結果ではない
重症化に寄与する因子
・一つ以上の併存疾患
・既存の呼吸器疾患
※ 呼吸困難、肺炎、COPDは
重症化を最も強く予測する
・加齢に伴う免疫力↓(免疫老化)
・慢性的な軽度の全身炎症(炎症老化)
・リンパ球減少症
Martinez, J Clin Med 2021
すずひろクリニック @SuzuhiroClinic 2021年10月4日
👉 ストレス誘発性早期老化
細胞老化は
継続的な細胞複製および老化と連動しているが、
ストレス因子によっても
正常細胞に老化に似た表現型が早期に
誘発されることがある=ストレス誘発性早期老化
慢性炎症、タバコの煙、
特定のグラム陰性菌・菌体成分など
⇒活性酸素種⇒細胞老化を加速
Martinez, J Clin Med 10 279 2021
すずひろクリニック @SuzuhiroClinic 2021年10月3日
👉 老化細胞⇒炎症性サイトカインの強力な供給源となる
ヒトの胎児から採取した細胞分裂の限界=約50回
老化細胞(限界まで分裂した細胞)は
加齢に伴い徐々に蓄積
⇒ 糖尿病、心血管疾患、COPD、
脳血管炎症、骨粗鬆症、変形性関節症
肥満者の脂肪組織内にも蓄積
老化細胞⇒炎症性サイトカインの強力な供給源となる
Martinez, J Clin Med 10 279 2021
すずひろクリニック @SuzuhiroClinic 2021年10月1日
👉
・血清亜鉛濃度
・血清25-ヒドロキシビタミンD
(ビタミンDの指標)
を自費にて測定できるようになりました。
費用等は、
すずひろクリニック新着情報を
ご覧下さい。
すずひろクリニック @SuzuhiroClinic 2021年9月30日
👉 フィンランドのビタミンD強化プログラム
フィンランドは
2003年にビタミンD強化プログラムを実施し、
乳製品の強化を義務付けた
⇒ ビタミンDの摂取量は大幅に↑
⇒ 全人口が、十分なビタミンDの状態となった
注目すべきは
フィンランドのCOVID-19発症率と死亡率が
ヨーロッパで
最も低い国の一つである点
Berger, Clin Nutr ESPEN 2021
すずひろクリニック @SuzuhiroClinic 2021年9月29日
👉 ビタミンCとD、Se、亜鉛、オメガ3脂肪酸の
サプリ摂取
COVID-19の流行期には
リスクグループでは
適度な量のビタミンCとD、Se、亜鉛、
オメガ3脂肪酸(n-3 PUFA)を
組み合わせたサプリメントの摂取を
検討することが賢明であろう。
※ 鉄は、欠乏している場合のみ補う
Berger, Clin Nutr ESPEN 2021
表は、スイス国民向けに提案されたサプリメントの量
すずひろクリニック @SuzuhiroClinic 2021年9月28日
👉 鉄欠乏症⇒自然免疫・適応免疫反応に
負の影響を与える
トランスフェリン受容体-1
(リンパ球の鉄取り込みに関与する)の変異は
重度の免疫不全を引き起こし
循環IgGのレベル↓
T細胞およびB細胞の増殖が↓
※活性化されたリンパ球の活発な代謝には
十分な量の鉄が必要である
Berger, Clin Nutr ESPEN 2021
すずひろクリニック @SuzuhiroClinic 2021年9月27日
👉 低血清鉄と低ヘモグロビンは、予後不良因子
入院中のCOVID-19患者には、
貧血と鉄のホメオスタシスの低下が見られる
COVID-19疾患の予後リスク因子には
・高齢
・炎症
・低血清鉄
・低ヘモグロビン
が含まれる
欧州血液学会は、COVID-19ワクチン接種時に
鉄欠乏があれば治療することを推奨している
Berger, Clin Nutr ESPEN 43 39 2021- リンクを取得
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